「利休梅(リキュウバイ)」という名前の花があります。

茶人・千利休が好んだとされることから、この名前がついたとされています。梅に似た白い花びら、水辺に映える清潔な白、侘び茶を大成した利休の美意識に、この花が重なったのでしょう。

4月の兼六園・梅林周辺を歩くと、曲水のほとりにこの木が立っています。

「梅」とついているが、梅ではない

リキュウバイは梅林エリアから少し離れた場所

リキュウバイは「梅」という名前がついていますが、梅とは異なる植物です。同じバラ科ではありますが、梅よりずっと遠い仲間で、花の形が梅に似ているためにこう呼ばれるようになりました。

兼六園の梅林エリアにありながら、梅の見ごろ(2〜3月)よりずっと遅い4月に咲きます。梅を見に来た人がリキュウバイに会うことはできないのです。

見頃】

4月上旬〜中旬が目安です。

桜とほぼ同じ時期に咲くため、桜を見に行くタイミングでそのまま出会えます。梅林エリアにある木ですが、梅の見ごろ(2〜3月)よりずっと遅く咲くため、「梅の季節」とは別の花として楽しめます。

 茶人・千利休(せんのりきゅう)が好んだとされることから「利休梅」と名付けられた。梅に似た白い花びらが、侘び茶の美意識と重なることから珍重されたとも言われる。

小川に花びらが落ちる

【豆知識】

  • 千利休は1591年に没しているが、リキュウバイという名前が広まったのは江戸時代以降という説もある。「利休が好んだ」という伝承が、名前として定着したと見られる
  • 花びらが水に落ちて流れる景色は、茶の湯の世界では「見立て」の美学と呼ばれる。自然の景色の中に、茶室の風情を見出す感覚のこと
  • 兼六園では梅林エリアにあるが、梅の見ごろ(2〜3月)よりずっと遅く咲くため、同時には見られない

兼六園の春は、華やかなだけではありません。こういう静かな美しさも、この庭の持ち味です。

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