
兼六園を歩いていると、突然目に飛び込んでくるものがあります。
松の緑、苔の緑、常緑樹の緑…
そんな落ち着いた色が続く園内に、ぽつんと、鮮やかなピンクの木が立っている。「なんだろう、あれ」と思って近づいてみると、葉が一枚もないまま、枝全体に濃いピンクの花がびっしりと咲いていました。
これがハナズオウ(花蘇芳)。
4月の兼六園で出会える、ちょっと意外な春の主役です。
葉がないまま、全体がピンクになる

ハナズオウは、葉が出る前に花だけが咲きます。だから枝が丸見えのまま、木全体がピンクに染まります。
桜も同じように葉より先に花が咲きますが、ハナズオウの場合はその色がずっと濃く、遠くからでも一目でわかるような鮮やかさです。細い枝の先から太い幹まで、花がびっしりと張りついているように見えるのも、よく見ると不思議な美しさがあります。
どこで見れる?

梅林エリアから霞ケ池に向かう途中、松や常緑樹の緑の中にぽつんと立っており、園路を歩いていると突然目に飛び込んできます。
【見ごろ・時期】
4月上旬〜中旬
【特徴】
- 花色は濃いマゼンタピンク(赤紫〜濃桃色)。遠くからでも一目でわかる鮮やかさ
- 葉が出る前に花だけが咲くのが最大の特徴。枝が丸見えのまま全体がピンクに染まる、独特の姿
- 花は枝や幹に直接びっしりとつく(幹生花)。細い枝の先から太い幹まで、全体に花が張りつくように咲く
ハナズオウは中国原産で、古くから日本の庭園に植えられてきた。大名庭園では、松や常緑樹が主役の落ち着いた景観の中に、季節の彩りとして花木を点在させる手法がとられており、ハナズオウもそうした「差し色」として重宝されてきた植物のひとつ。兼六園でも、緑一色になりがちな春先の園内に、鮮烈なピンクのアクセントを添える役割を担っている。